ETWAS - 言語学事始 -

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英語の歴史

最近、英語の成り立ちについて気になってしまったので

英語史について調べてみました。

 

英語はインド・ヨーロッパ語族、ゲルマン語派に属する言語です。

英語はゲルマン民族のアングロサクソン人の言葉です。

現在の英語(Present-day English, PE)になるにはかなりの変化があった言葉のようです。言葉の変化はそのはなされている地域の歴史と深く関係しているので、ほとんど英語史=イギリス史になります。言葉と歴史がリンクしているで個人的には興味深いです。

 

歴史的変容を大きく分けると4つの区分に分けることができます。

 

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1)古英語(Old English, OE) 450-1100

  低地ドイツ語に近い英語、ドイツ語です(笑)

2)中英語(Middle English, ME) 1100-1500

  フランス人に侵略されてフランス語化・フランス語語彙が増加

3)近代英語(Modern English, ModE) 1500-1900

  ルネッサンスでラテン語流入、工業化大航海時代で語彙が増加

4)現代英語(Present-day English, PE) 20世紀以降

  英語が植民地地域、アメリカなどの他国でも話される言葉になる。

  そして、英語と言えばアメリカの言葉に。

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もうちょっと詳しくイギリスの歴史を見てみます。

 

石器時代より、もともとイギリス(グレートブリテン島というべきか)に住んでいたのはケルト民族でした。

 

出来事1)ローマ帝国の侵略

紀元前55,54年、ユリウス・カエサルが侵略してきますが、失敗しています。

紀元後43年 クローディアスに侵略を受け、3年ぐらいで中部・南東部を支配されてしまいます。

このころは五賢帝の時代であり、このケルト民族の驚異から帝国領土を守るために、北部にはハドリアヌスの長城やアントニウスの長城が築かれました。

こんなこともあってローマ帝国の言葉であるラテン語が上流階級の言葉となります。支配者と一緒に支配者の言葉も侵略してきます(笑)ついでに各地に公共浴場が建設されます。テルマエ・ロマエ!

キリスト教もついでに布教されました。

 

出来事2)ゲルマン人の大移動

5、6世紀ごろゲルマン人の大移動が始まり、ブリテン島にも渡ってきます。このとき来たのが、ジュート族、サクソン族、アングル族であり、彼らの話す言葉が英語の始まりになりました。

7世紀ごろにはサクソン七王国ノーサンブリア、マーシア、東アングリア、ケント、サセックス、ウェセックスの7国)を建国しました。

ゲルマン人たちは自分たちのことをアングル人と呼んでいたらしく、アングル人の国 Angles' land = England となったようです。

Englishはアングル人の言葉ですね。

 

出来事3)ヴァイキング襲来!

8世紀になると北欧から同じゲルマン系民族のヴァイキングがやってきて、たびたび侵略を受けるようになります。878年にはヴァイキングの一派デーン人に正式にブリテン島中部を領土として分け与えることになりました。(ウェドモー条約)

しかし、同じゲルマン系ということもあって古英語への影響は少なかったようです。

 

出来事4)ノルマン・コンクエスト(ノルマン人による征服)

ヴァイキング時代にフランス・ノルマンディー地方にも北欧からゲルマン系のノルマン人が定住するようになっていました。1066年英国のエドワード王が死ぬとノルマンディー公ウィリアムが英国の王位継承権を主張して戦争になります。最終的には有名な「ヘイスティングスの戦い」によってノルマンディー公が勝利します。

以降フランス人に上流階級が支配され、

フランス語=上流階級の言葉

英語=庶民の言葉

になります。

しかし、1204年、ジョン王の治世にノルマンディ地方を失ってしまったため、英国も自立の道に向かっていき、徐々にフランス語が英語と一体化していくよいになります。その後、フランス都の間に百年戦争が勃発。フランス離れが加速します。すると自国語である英語が浸透し始めます。ナショナリズムですねー。

 

出来事5)英国ルネッサンス(1500-1650)

ルネッサンスにより古典研究がさかんになり、ラテン語・ギリシャ語から大量の借用語がつくられるようになりました。難解な言葉も多かったようで「インクつぼ用語」と揶揄されたようです。(※文人の用いるインク臭い言葉という意味らしいです。)当時の人にもわかりづらかったようですね。そういう言葉は消え行く定め・・・。それでも残る言葉は多々ありました。

 

これらの歴史の流れを踏まえると

英語=ドイツ語+フランス語+ラテン語・ギリシャ語

に見えてきます。

 

このような歴史があるため以下のような問題が英語にはあります。

1)語彙がめちゃくちゃ

    フランス語借用語、ラテン語借用語、元来の語彙が入り混じっている。

 フランス語は全語彙の90%を占めるとも言われている。

2)文法ルールが多い

 古英語では格活用があり、語順制約がありませんでしたが、

 フランス語の影響で格活用がなくなり、語順が固定化してしまった。

 しかもフランス語とゲルマン語のルールが混ざってる。

 

現在の英語が「入門はしやすく初心者はとっつきやすいが、語彙を増やしにくく、上達しにくい言語」と言われるのは、このような歴史的背景があるからのようです。

 

英語史調べてるとイギリスへの思いが募る・・・

 

図説 英語史入門

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