ETWAS - 言語学事始 -

拙筆ながら言語、歴史、文化をテーマに書いています。応援していただけると嬉しく思います。

多言語学習は英語に効果はあるか 2012年を振り返って

2012年は個人的には言語元年となりました。

 

 

仕事でデータシートの英訳やら、外国人への仕事のレクチャーやらで少しずつ英語を使う機会が増えてきたことや、海外旅行先での数々のコミュニケーションの困難があって、いよいよ避けては通れぬと思うようになりました。

しかし、私の英語の勉強といえば、あまり建設的ではなく、単語を覚えてるそばから忘れ、雲を掴むように、ザルで水を救うようなものだったのです。

 

私はなにぶん頭が悪いので英語の学力に壁(限界)を感じており、
この分厚い壁をなんとか打破できないものか、と考えました。

 

そこで下記のような発想をしました。
こういう考え方が結果に結びつく保証は全くありませんが、
新たな切り口ができた、という意味では私にとっては多少効果があったと思われます。

 

~発想の流れ~

「英語」ができないのはなぜだろう?

いや、待てよ。そもそも「英語」ってなんだろう?

「英語を勉強しなさい」と教え込まれて、
実際「英語」を勉強したが、「英語」とは何かについてついぞ学ぶ機会がなかった。
これが諸悪の根源ではなかったか。

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仕事でもよく思うことがあります。

「Aをやってくれたまえ」と指示があったとします。

すると、何も考えず「Aをどうやったらこなせる」か、考えてしまいがちです。
しかし、ふと立ち止まって、あえてこう考えるように心がけています。

「そもそもAとは何か」「本当にAという仕事を理解しているのか」「本当にAは必要か」「AよりもすべきBやCはないのか」
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「英語」とは何かを考えたとき、すぐ目に入ってきたのは「フランス語」でした。英語の語彙はフランス語からの影響が大きいことは有名ですし、英語の文法がごちゃごちゃしているのはきっと多様な影響を他言語から受けたからであり、「フランス語」を個別に学ぶことで英語の勉強によい影響を与えるんではないか、と考えたからです。

 

実際フランス語をかじってみると、モチベーションは上がらないし、ずぐには身につかない印象を受けました。それはそのはず、長年英語教育を受けてきたのに英語が身についていないことを考えれば、相応の情熱と時間がなければ無理な話。移り気の私には、仏検5級がギリギリ受かるぐらいがやっとです、語学レベルが低いことは明らかです。

今のところ独学でしかする気がありません。語学教室は相性があるので、私には向かない気がします。

さて、それでも英語以外の言語にも興味がわいてきたため、文法書を通しで読んだ程度で移り気の私は次ドイツ語に興味を持ちました。

学び方が分からなかったため、ドイツ語辞書を全ページめくるという意味不明な作業を1ヶ月間続けました。語彙が身につくわけないのですが、語学的体力は向上したようです。すくなくとも無意味な苦行を長時間続けられるようになりました(笑)。

 

そのあたりで語彙の重要性に気づきました。
英語学習だけでは、長い時間かけて勉強しているため気づきにくいことですが、私たちは相当な数の語彙に慣れ親しんでいると思われます。
「この単語は見たことあるけど、あるは昔は覚えていたけれど、意味が分からない」あるいは「この単語はたぶんこういう意味だけど、何を指しているか分からない」ということがあるかもしれませんが、「まったく見たことがない」という基本語彙はわりと少ないのではないかと思います。それに対して、他言語はまったくといっていいほど語彙を知らない状態から始まります。英語に近い語彙でも意味の確認が必要です。そう考えると、現状の英語語彙のレベルまで他言語で習得しようとすれば、膨大な時間がかかっても不思議ではないのです。また、他言語に存在する格変化が習得困難さに拍車をかけているので余計です。

 

このドイツ語も基礎文法だけやって、なんとなく全体像を掴んだあと、ラテン語、イタリア語、ロシア語、古典ギリシャ語まで興味は移ろっていきます。またに語彙が気になりだし、単語を書いたり、文法書を読み直したり、言語学の読み物読んだり。たぶんテスト受けたら確実に落第ですが(笑)、言語間のつながりを感じることが」できるようになりました。

しかし、興味の限界も覚えるようになります。
例えばアラビア語とかアジア語とかヨーロッパ諸語、ラテン文字・ギリシャ文字圏ではない言語にはなかなか興味を持てないことも分かりました。

これが私の興味の限界でしょうね。

 

<何か成果はあったか>

[1]語彙

英語の語彙を学ぶ上で語源が重要です。ラテン語やフランス語からの借入語が多いです。また、語彙を新しく作る上でもラテン語の接頭辞などで作られます。

 

[2]文法

文法に関しては、ドイツ語ベースでフランス語による「語順固定による格変化消失と文法変化」を受けています。例えば「"A's":属格の名残"」と「"A of B :属格表現消失によるフランス語"de"の用法」が混在してたりします。言語史にも目を向けると、年代によって文法それ自体が変化するのだということもわかります。つまり、文法は絶対的なものではなく、非常に移り気で流行みたいなもの、に見えてきます。

 

[3]背景知識

おそらくヨーロッパ圏の人が共有しているであろう感覚的なものがこれです。言語を含めたヨーロッパの歴史に興味を持つと、ローマ帝国・古代ギリシャの影響がすごく大きくて驚きます。そして惹かれるものがあります。各言語の根底にはラテン語があり、ローマがあるのだなと思います。ヨーロッパ史の知識はたぶん直接的には関係なくとも常識レベルで広く浸透しており、英語でも重要かと思います。

「すべての道はローマに通ず」

ただ

「ローマは一日にして成らず」

トホホ・・・

 

[4]モチベーション

私は移り気で、浅く広くのほうに関心の重点があります。ダメですね、あまり専門家になるには向いてないです。しかし、私にとっては、言語という大きなくくりで学ぶことによって、興味が枯渇せず、長く関心を寄せていられたため、こういう勉強の仕方のほうが良いのだろうな、とも思っています。学び方は人それぞれ。「無関心よりマシ」ぐらいに考えておけば、気が楽なんです。

 

[5]発音

国際音声記号(IPA)に興味を持てるようになりました。同じラテン文字を使ってる言語でも、発音は各国異なります。同じ単語があったとしてもそれぞれ読み方が違うのです。また、キリル文字を使ってるロシア語を初めて見たとき、なんて読めばいいのか分からない状態でした。しかし、単語の音を聞くとヨーロッパ諸語と似ている感じがするのです。だんだんと言語それぞれで個別に音を覚えるのではなく、音声に関する統一的な見解が欲しいと思うようになりました。

よく[...]で囲まれているのはIPAです。
/.../で囲まれているのは音素というものです。IPAとは別物です。

音を覚える上では「音声学」や「音韻論」という言語学分野が役に立ちそうです。

 

まとめると

語学勉強に根気がついたのが一番の成果かな(笑)
英語は英語でまた別に勉強する必要はありますが。

 

 

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[余談]

 

最近、「効率」よりも「継続性」のほうが重要ではないのかと考えています。

「その時がんばってもやんなくなったらおしまい」のテスト勉強より、「ゆっくりと長く続ける」生涯学習のほうが、最終的にはよく身に付いてるんじゃないかと思います。そういう生涯学習を積み重ねていくほうが人生にとって重要なんじゃないかと思うのです。

すぐに結果を求めれられやめてしまうのはもったいないことです。語学だったら、「10年先で海外旅行で現地の人と簡単な意思疎通できればそれでいいや」ぐらいで考えておけば、建設的に長く続けられるんじゃないでしょうか?

 

短期的なら余裕なことだとしても、
「簡単なことでも何十年も長く続ける」って意外と難しいことです。
少なくとも私には。