ETWAS - 言語学事始 -

拙筆ながら言語、歴史、文化をテーマに書いています。応援していただけると嬉しく思います。

日本人の「V」の発音は間違っている!?

神山孝夫「ロシア語音声学概説」を読んでいます。

この本はロシア語発音の本なのですが、英語学習に通じる記述がされており、目からうろこが落ち続けています。そもそも英語もロシア語もインド・ヨーロッパ語族という大きなくくりでみれば同系なので、似ているところや考え方もあると考えられます。

 

p.85に「v」の発音に関する面白い記述があったので紹介します。

[f]の発音を習得した人にとって、当然ながら[v]は難しい音ではありません。しかしながら、一見不思議なことに、日本で外国語教育を受けた人の中には[v]をしかるべく発音できない人が多いです。

かなり多くの場合に、そのような人が[v]だと信じて発する音は実は「とんでもない音」です。なぜ「とんでもない」のか。それは、彼らが[v]だと信じて発する音が、現在のところ地球上のさまざまな言語の中で使用が確認されていない音、つまり、この世で用いられていない音だからです。

さて、その「とんでもない音」とは有声唇歯閉鎖音、すなわち下唇と上の前歯によって呼気を完全に遮断して調音される音であって、上記のようにこの音を用いる言語は地球上に発見されていません。そのため、世界の言語に用いられている音を網羅した国際音声記号(IPA)にも、この「とんでもない音」は含まれていません。

 

実際にF/Vを発音して比較してみましょうか。

 

実際の正しいF/Vの発音は 唇歯摩擦音 と呼ばれています。前歯と下唇を軽く触れます。軽くです。触るか触らないかぎりぎりです。噛まないでください。「右手は添えるだけ・・・」みたいなソフトタッチです。そして息を吸ったり吐いたり繰り返してみてください。このとき息を吐くときの音がFです。「ブー」になればVです。(多分・・・)

 

とんでもない音は 唇歯閉鎖音 です。前歯と下唇をくっつけます。ちゃんとくっつけてください。そのあとPみたいに「プッ!」あるいは「ブッ!」と息を吐いてください。吹き矢みたくです。今度は息を吸おうとしても吸えないはずです。

 

学校で自分はこの違いを教わったんだろうか・・・
自分の信じていたものを疑いたくなります。。

 

ロシア語音声概説 (CD BOOK)

ロシア語音声概説 (CD BOOK)