ETWAS - 言語学事始 -

拙筆ながら言語、歴史、文化をテーマに書いています。応援していただけると嬉しく思います。

比較と対照

一般的な感覚で「比較」と「対象」という言葉は、「比較対象」というように、あまり厳密に区別して意識されることがないと思う。

 

言語学では、「比較」と「対照」は 特別な意味を持っており厳密に区別されている。

特に比較言語学では最重要用語でもある。

「比較」という言葉は、同じ系統に属している2言語の間でしか使えない。

例えば、フランス語とスペイン語はともにインド・ヨーロッパ語族のイタリック語派に属しており、親族関係が証明されている。

このとき、フランス語とスペイン語は「同系」である といえる。

同系が証明されているので、フランス語とスペイン語は「比較」できる。

 

「対照」は、単純に異なる2言語を並べて違いを調べることを意味し、特に「同系」であるかは関係ない。

 

比較言語学では「同系」であることを証明するのが仕事なので、「比較」という言葉は重要なのである。そういう意味で考えると「日本語」と「英語」は同系であることは証明されていないので、比較言語学用語として使う場合、「日英対照」はできても「日英比較」はできないはずである。

 

試しにGoogle 検索してみると

"日英比較" 約 347,000 件

"日英対照" 約 459,000 件


一般用語としては区別しないだろうから、言語学に絞ってみたい。

検索ワードに「比較/対照言語学」を追加してみると

 

"日英比較言語学" 約 5,240 件

"日英対照言語学" 約 29,900 件

日英対照が正しいはず。。。

 

ちなみに日本語の同系言語はまだひとつも証明されていない。